Good‐bye Mr.GEORGE HARRISON
先日(2001.12.1)、あのビートルズのギターリスト、ジョージ・ハリスンが亡くなった。
名曲「サムシング」は彼の作品で、フランク・シナトラが最高のラブソングと云ったそうだ。
この曲が入っているアルバムが「アビー・ロード」.。中学1年の時に生まれて初めて買ったLPレコードがこのアルバムだった。
 ジャケットが良かった。あの、アビーロードの横断歩道を4人が横切ってる写真。今見ると、なんてことはないし、わざとらしさが鼻につくような気もするが、それでも、やっぱり、「ビートルズが最初だったんだろうな。」という気がする。4人のスタイルはバラバラで、ポール・マッカートニーは裸足だったため、死亡説まで流れた。なんとなく、4人の方向性が各々のスタイルから見られる。そして、翌1970年最後のアルバム「レット・イット・ビー」をリリースして解散。1962年にデビューして、60年代のロックを形成していったバンド。すべて、ビートルズが最初だった。テクノロジーの発達は音楽にも多大な影響を及ぼし、それは、デビューと同時に世界的スターになった彼らのアビーロードスタジオに最も早く運び込まれた。そして、ビートルズ・フォロワー達は決して、ビートルズを抜くことができなかった。ビートルズを抜けなかったから、チャック・ベリーのロックンロールとエルビス・プレスリーをベースにしたビートルズに対して、ブルースをべースにして、インプロビゼイションを目玉にしたグループが現れる。1965年デビューのクリームがそうだったし、ジミ・ヘンドリックスもそうだろう。そして、ドアーズやジャニス・ジョップリンといった体験や生き様を表現するアーティストが登場し、言葉に意味を持つ”ロック”という音楽が出来上がったのだ。さらに、ビートルズがやらなかった(できなかった?)ことをやりはじめるバンドが出てくる。ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズやシカゴのようなブラス・ロック。クラシックの要素を取り入れたピンク・フロイドやナイス、そしてアビーロードを発表した年にデビューしたキング・クリムゾンのようなプログレッシブロック。そう、ビートルズを追い越すことを目的にしてやっていたことが、ロックの細分化を進める、同時に、ロックそのものが単なる流行ではなく、アートとして存在するようになり、21世紀を迎えた現在まで若者に支持されてきたのだと思う。
 1970年にビートルズが解散する。そして、レノン・ジョージ、ポール、リンゴのメンバー4人はそれぞれがそれぞれに活躍した。ジョージ・ハリスンはソロ・アルバム「オール・シング・マストパス」を発表した。また、彼が中心となり、1971年8月にマジソン・スクエア・ガーデンに於いて、友人のエリック・クラプトンを始めボブ・ディラン、レオン・ラッセルといった大物ミュージシャンが参加したバングラデシュ救済コンサートを開催した。このコンサートは、後にマイケル・ジャクソンが中心に行ったウィー・アー・ザ・ワールドといったチャリティ・コンサートの礎となるものだった。
 レノンとジョージの二人がこの世を去り、羽をもがれたカブトムシは永遠に再結成できなくなってしまった。本当にビートルズはロック・グループだった。ライブはやらなくなってたし、ヒット曲はロックというよりポップスといった感じの曲が多く、さらに、そういう曲がイージーリスニング系或いはジャズ・ボーカル等に取り入れられたりしたため、ストーンズやドアーズといったバンドと比べるとロックとは云い難い体質のグループと思わせる。しかし、通称「ホワイト・アルバム」を例に出すまでもなくロック・スピリッツを感じさせる曲は多数ある。、「アビーロード」の"The end・her majesty"は曲の途中に20秒間の沈黙が入る。良いにつけ、悪きにつけ、ヒット曲を生み出すメディアがラジオだった当時(1960年代)、曲のヒットを目的とする単なるヒット・メーカーならこういう曲は作らない。長い沈黙を曲中に入れるということは、イコール、曲のヒット目的にしていないということと同じだろう。なぜなら、音だけが頼りのラジオでは、無音が続くと、リスナーが『ラジオか壊れたか?』と思うってしまうため、何秒間(10秒程度だったと思うのだが)か無音が続く行為をしないというのがあったと記憶している。これこそが、『ロック・スピリット』だ。
 久々に、アビーロードを聴いた。初めて聴いてからもう30年の歳月を経ているアルバムだ。精神も肉体も30年以上経ってしまい、もちろん社会情勢も生活環境も当時とはまったく変わってしまった今聴いても名盤である。だからこそ名盤なのだ。
 続けて、息子が5歳くらいの時に安売りのベスト盤の中から選んだCDを聴いてる。何で選んだのかは分からないが、「これがいいんじゃない。」と選んだ。何枚ものCDの中にあった唯一のビートルズのCDだったのに。単なる偶然なんだろうけど・・・、本当に偶然なのだろうか?
 最後に、わたしの一番好きなビートルズの曲は”WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS”です。
もちろんこの曲はジョージ・ハリスンの手によるものです。
to THE BEATLES