『夫婦の会話』
 『これこういう音楽なの?』と妻がいきなり聴いてきた。
 『そうだね、こういう音楽だね。』
 車の中で、FMから流れてきた知らない曲だから話も弾まない。
 『CDなの?テープなの?こういう曲なの?』としつこく聴く。
 『FMだよ。』というと、
 『そうなの?。テープが伸びてるのかと思った。』などという。
 なるほど、伸びたテープから流れてるような感じがする曲だ。
 とにかく、『なんだ?この曲?』という感じはする。
 だから、そう聴いてきたのもわかるのだが、ちょっとまてよ。
 『これオレ持ってる曲だと思ったの?』と確認すると、
 『聴いてる音楽はこんなのでしょ。』とあっさり云われた。
 『ちが〜う!全然ちがう!』と云っても、
 『変わんないじゃない。』とあっさり否定された。
 『・・・・・・・・・・。』
 言い返せないところが弱い。

というような会話をした翌日のこと。

 音楽が流れる車の中で、
 『なぁ〜に、この曲。』と、またもや妻が聞いてきた。
 まぁ、『なんだ、これ?』と思ってしまう曲ではある。
 昨日の事もあったので、
 『これ、CD。』というと、
 『え〜、CDなの?ラジオでかかってるのかと思った。』と驚き口調。
 さらに、『昨日のと変わんないじゃない。』と追い討ちをかけられる。
 『全然違うんだけどなぁ〜・・・・・。』
 『変わんないじゃない。』とあっさり否定される。
 『・・・・・・・・・・・。』
 当然言い返せない。

 たいていの人は、これを初めて聴いた時には、こういうリアクションをとるんだろうなぁ。
 
というこの曲は『はいからはくち』(はっぴいえんど)。
会話の始まりは、イントロの太鼓のところだった。