| 『結成40周年記念!山下洋輔トリオ復活祭』(7/19) |
| 山下洋輔トリオ。ライブを最後に観たのはもう30年も前のことだ。 初めて買ったアルバムは「キアズマ」。ぶっ飛びました。これですっかりトリオの虜になったのだ。 ボクのリアルタイムは、山下洋輔(p)、小山彰太(ds)、坂田明(ts)という、第3期のメンバーで山下洋輔トリオの第2黄金期の頃で、ボクは毎日が日曜日という生活を送ってた学生時代。久保村君と何回となくライブに足を運んだっけ。 この頃は、「ライブをやってるうちはライブに行こう!レコードは後でも買える!」という信念のもと、行けるかぎり観にいってた。「風雲JAZZ帳」とか山下の本もたくさん読んだ。これがかなり面白いのだ。ちっちゃい喫茶店のレコードコンサートにも行った。これはなかなか忘れがたい経験で、久保村君と今でも話題になる。京都四条のビッグボーイでやった時なんてのは、アンコールの手拍子が響く店内に、「もう演奏できないそうです。」というアナウンスが流れ、初めてアンコールなしのライブを経験した。ボク達は最前列に座ってて、目の前1メートル位にセットされたドラムスを叩いてた小山のスティックは飛んでくるは、耳はガンガンするわと凄いことになってて、こっちも「もう聴けない」状態だったっけ。もちろん一緒に行った久保村君と今でも話題になるライブだ。 卒業して、つくばのジャズ喫茶にも出かけた。この頃は坂田がトリオから抜けていったような気がする。 坂田といえば、結婚する前に友人達と坂田のつくばでのライブに妻も連れて行ったら、「もうこんなの来ない。」という、とても坂田さんには聞かせられないキツ〜イお言葉を覚えてる。このときは、前衛舞踏も加わっていたので特にハードルが高かったのは間違いない。ちなみに、これも久保村君と今でも話題になる。 そんなわけで、ボクの知ってる山下洋輔トリオは、山下、小山、坂田のトリオ。しかも、このトリオしか見たことがないの。 ところが、持ってるアルバムは、「キアズマ」と「クレイ」。とても感動するこのアルバムのメンバーは、第2期のトリオで、山下と坂田にドラムスは森山威男のトリオ。ライブに行ったことのないこのトリオを前々から一度はライブに行きたいと思ってた。 そして遂にこのトリオが復活するライブをやる情報を朝日新聞からゲットした。時は2009年。場所は日比谷野外音楽堂。 もちろん久保村君に声をかけたら、即OK。妻も、たまには良いんじゃない。と勧める。 後日、前売り開始と同時に、チケットを無事にゲット。 チケットが届き、喜んでいた。 妻に、「ミチヒコちゃんも誘おうかと思ったんだけど・・・。」といったら、 「なんで誘わなかったの?」と聞くので、 「前に一緒に行ったセシル・テーラーと山下洋輔のとき、あまり知らなかったみたいだから・・・。」と答えたら、 「えっ、誰の行くの?」と聞くので、 「山下洋輔トリオの復活祭で、元メンバーが全員・・・・」最後まで言い切る前に、「そんなの行くの?誘っちゃ可哀相でしょ!」とあっさりというか、ばっさりというか。やっぱり久保村君と2人になった。 1983年にトリオ解散はしたが、トリオを結成した1969年から数えて40年。といことで、40周年記念の復活ライブなのだ。 そして、その参加メンバーがすごい!山下洋輔(p)、中村誠一(ts)、森山威男(ds)、坂田明(as)、小山彰太(ds)、林栄一(as)、国中勝男(b)、菊地成孔(ts:武田和命の代理)、司会が相倉久人。そうなのだ。故武田和命の代理の菊地を除いて全員が山下洋輔トリオの元メンバーなのだ。これを楽しみといわず何が楽しみか? 今年は、ツール・ド・フランスにアームストロングが復活し、サイモンとガーファンクル、ドゥービーが来日するわと復活流行りのようだ。 そんなことはさておき、ライブの日がやってきた。もちろん、チケット片手に久保村君と日比谷野音に行きましたがな。 17時。ちょうど時間となり、さてさて、相倉久人のMCが始まる。構成は、1983年から1969年に遡っていくという。 さっそく、山下、小山、林で始まる。そこに菊池が加わり、林が抜けて、サイレントギターを弾くベーシスト国中が入り、ボクは一気に眠くなった。それぞれの組み合わせで小山の作品「円周率」をいれながら2曲づつ演奏した。演奏中にパラパラと雨が落ちてきては、空を見上げて心配したが、濡れることはなかった。ここで1部が終わり15分の休憩。遠くの空には虹が見えた。岡林信康がステージ脇に遊びに来てた。 休憩が終わって、相倉久人と菊地の漫才みたいな掛け合いトークから第2部が始まった。さてさて、残ったメンバーから考えると、ボクにとってのクライマックスに入っていくわけやね。そう!懐かしの山下、坂田、小山のトリオで始まる。いやぁ、あっという間に学生時代に戻ったね。小気味のいい小山のドラムと絡んでくる坂田のアルト。こうじゃなきゃボクの知ってる山下トリオじゃないやね。いやぁ、良かった、良かった。ホントに良かった!と、ここで十分満足してしまった。が、今日はまだまだ続くのだ!そうなのだ!ついにその時がやってきた。小山に代わり森山が入る。お〜!これこそキアズマのジャケットのメンバー。ボクがライブを生で聴きたくて聴きたくてしょうがなかった第2期のトリオだ。「クレイ」を演ったと思ったら、続けてあのテーマが聴こえてきた。そう、「キアズマ」だ!なんと、なんとヒット曲(?)をアルバムを交換することなく聴けちゃったのだ。嬉しかったなぁ。それにしても、森山のドラムは凄い!なんと、なんと凄いとしか言いようがない!スッコーンっと抜けてく気持ちよさ!めちゃくちゃ良かった。小山彰太も僕たちのすぐ側からステージを観てたっけ。などと満足してると、坂田と中村が交代して、トリオ結成時のメンバーになった。「ミナのセカンドテーマ」「木喰」を演奏。このトリオはいわゆるフリージャズ。多分、中村の存在がそうなんだろう。坂田明も小山と同じあたりでステージを観てたっけ。二人が楽屋の方にトリオのステージが終わる前に戻ったということは・・・・・・。 山下洋輔トリオの歴史が再現されたライブが終わり、最後は、ツインドラムに4ホーンのメンバー勢揃い。思ってたとおりのメンバー総出。こうなると、ドゥービーどころじゃない。シカゴやレア・アースどころじゃない。もちろんアース・ウィンド&ファイヤーとも違う。森山と小山のツインドラムなんて聴けないでしょ。迫力あったなぁ。お祭り気分で面白かったけど、ボクはやっぱりトリオの方が断然好きだ! 帰りがけにに、蕎麦屋で酒を飲みながら、いつのものようにつまんない話で盛り上がって帰ってきた。 |